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内装工事の費用はどれくらい?費用相場をチェック

2021年01月14日

これから店舗の運営を考えている人にとっては、店舗を作り上げていく楽しみがある一方、内装工事にどのくらいの費用をどのくらい準備すべきかが悩みの1つかと思います。店舗の内装工事は、どのような設備が必要となるのかでも変わってきます。
今回は内装工事の費用について、工事内容別の費用目安を解説します。

居抜き物件かスケルトン物件で異なる内装改装費用

店舗向けの物件を探していると、「居抜き物件」や「スケルトン物件」という用語が記載されていることがあります。居抜きか、スケルトンかにより内装費用は変わってきます。
そこで、まず居抜きとスケルトンの違いについてご説明します。

居抜きとは前の設備や内装が残っている状態

店舗向けの物件の中には、前にテナントが入っていたというケースがあるでしょう。前のテナントが使用していた設備や内装がそのまま残った状態の物件を「居抜き」といいます。
前のテナントが同じ業種だった場合には、その内装や設備を活用した内装プランを考えることで、工事費用を抑えることが可能となります。
ただ、設備に不具合があったり、違う業種だったりした場合などは、設備の修理費用や撤去費用などが必要となり、費用が膨らむケースがあります。居抜き物件を契約する際は、設備に不具合がないか必ず確認し、修理や撤去がなるべく不要なものを選ぶようにしましょう。

スケルトン物件は何もない状態

内装も設備も何もない状態の物件のことを「スケルトン物件」といいます。ゼロから自分たちが好きなように店づくりが行える一方、全ての設備をゼロの状態から設置していかなくてはならないため、内装工事の費用が高くなりがちです。

店舗の内装改装工事の種類と費用目安

店舗内の設備や装飾などを作り上げていく工事全般のことを、一般的に内装工事といいます。店舗の業種や業態によって必要になる内装工事には違いが出てきます。
それぞれがどのような工事なのか、さらに費用はどのくらいかかるのかの目安を見ていきましょう。

電気工事

店舗にはコンセントや照明のスイッチなどが必要となります。また電気器具を取り付けるための配線工事も必要になるでしょう。このような電気設備を整える工事が電気工事です。
業務用冷蔵庫のように一般的な100Vの電気設備ではなく、200Vの電圧が必要になる場合などは、幹線引き換え工事が必要になるケースがあります。一般的な電気工事であれば、80~100万円程度が目安となりますが、幹線引き換え工事が必要だとその分費用が上乗せとなります。

ガス工事

飲食店であれば調理にガスを利用するケースは多いでしょう。アパレルや雑貨といった店舗でも、スタッフ用の給湯設備にガスを利用するケースがあります。
ガス工事は基本としては35~40万円程度が目安です。ただし居抜き物件で多少の配管延伸や器具の付替え程度であれば、10万円程度でも工事は可能です。

水道工事

水道工事はどのような業態の店舗でも必要な工事の1つです。アパレルや雑貨といった店舗でも、スタッフ用の給湯設備や掃除などのために店舗に水道設備は必要でしょう。
飲食店や美容室などでは水道工事の規模が大きくなるため、多額の費用がかかります。とくに飲食店では通常の水道設備だけではなく、保健所からの指導によりグリストラップという設備の設置が必要となります。長時間客が滞在するタイプの店舗であれば、スタッフ用と客用のトイレを設置する必要も出てきます。水回りが点在すればそれだけ費用は嵩みます。

スケルトン物件だと、これらの設備をゼロの状態から設置しなければならないため、工事費用は高くなります。
一方居抜き物件の場合で、前のテナントが残した位置に水回り設備を設置する場合には、水道管や排水管の設置が不要で高圧洗浄だけで済むためコストは抑えられます。
スケルトン物件の水道工事費用は、飲食店なら60~120万円程度が目安ですが、居抜き物件で高圧洗浄や簡単な修繕で済むといった場合には10~15万円程度で済む場合があります。

吸排気(ダクト)工事

店内の換気をはじめ、飲食店であれば厨房の換気、万が一の火災に備えた排煙設備など吸排気(ダクト)工事も必要となります。
業態によりどのくらいの吸排気設備が必要になるのかには違いがありますが、飲食店であれば80~100万円くらい、美容室で20~25万円くらいです。焼き肉店や串揚げ屋など、各席に排煙設備が必要となると、吸排気工事の費用が高くなります。
また排気の臭いが強い場合には消臭装置の設置も必要です。このようなケースでは200万円程度かかるケースがあります。

居抜き物件であればすでにダクト吸排気設備が整っているケースがあります。このような場合なら改めて工事をせずに済みます。

空調工事

空調設備の工事では、室外機を置く場所により工事費用は大きく変わります。室外機は重量があるため、例えばクレーンを使い高い場所に吊り上げるといった工事が必要になると費用が高くなります。また、室外機の場所と空調設備の設置場所が離れると、よりパワーのある空調設備が必要となり、空調設備自体が高くなっていきます。室外機を地面などの床面に直接設置可能で、6~8馬力程度の空調設備の場合であれば、1台に付き80~120万円程度が目安です。すでに空調設備がある居抜き物件であれば、オーバーホールで対応できる可能性があり、この場合は10~15万円程度の費用で済みます。

内装工事

天井や床、壁紙など建物の内部の見える部分を整えていくのが内装工事です。店舗に窓があれば、それだけ壁紙を使用する量は少なくなるため費用は抑えていけます。
一方でテナントビルの中など窓がない場合には、全面に壁紙を貼る必要が出てくるため、内装工事費は嵩んでいきます。使用する部材により内装工事は天井知らずの費用となっていきます。
どこまでこだわりたいのかをしっかりと考えて、予算を出しておくとよいでしょう。

インテリア工事

照明器具や什器などはインテリア工事になります。物品を販売する店舗であれば、ディスプレイのための什器にはこだわりたくなるでしょう。既製品を使用すれば費用を抑えることができますが、オーダーメイドで作る場合は費用が高くなります。
内装工事と同様に、どこまでこだわるのかにより費用が大きく変わります。

各種設備工事

飲食店であれば厨房設備、美容院やサロンであれば施術を行う椅子やベッド、シャンプー台など、業務形態に合わせた設備が必要となってきます。
これらの設備工事の費用も考えなければなりません。美容室やサロンの場合、ディーラーから購入する設備がありますが、これらの設備に関しては内装工事費に含まれないのが一般的です。

業種・業態別の大まかな内装工事の坪単価

業種や業態によっても大まかに目安となる内装工事費用があります。
店舗1坪当たりの金額(坪単価)でご紹介します。

飲食店

飲食店の中でも、吸排気設備工事や電気工事の費用が高くなる焼き肉店は、坪単価が高めです。一方ドリンクの提供がメインで厨房設備が安く済むカフェは、飲食店の中では坪単価が低めです。
同じレストランでも内装にこだわる傾向が強い和食店は比較的坪単価が高めになることが多くなります。

◆飲食店のタイプごとの坪単価の目安
・カフェ(15坪~20坪程度):15~25万円程度
・レストラン:25~50万円程度
・焼き肉店:50万円以上

アパレルや雑貨などの物販店

水道工事などの費用が少なく、比較的内装工事にかかる費用が安くなるのが物販店です。おおよそ10~30万円程度が内装工事の坪単価となります。ただし内装やインテリアにこだわると、坪単価が高くなっていきます。

美容院やサロンなど

水道工事や電気工事が高めとなるのが美容院やサロンです。また電気容量も十分余裕を持たせる必要があるため、場合によっては幹線引き換え工事が必要になるケースもあり、内装工事費用は高めになっていきます。基本としては20~40万円程度が坪単価となりますが、デザイン性を備え設備もしっかりと整えたサロンを作ろうと思うと、坪単価で40~60万円程度かかることがあります。

まとめ

内装工事費用を抑えたい場合には、スケルトン物件で一から作り上げていくのではなく、ある程度設備が残された居抜き物件を選び、既存設備を活かした店づくりを考えるとよいでしょう。また内装やインテリアにこだわりを持つと、内装工事費はどんどん高くなります。
そのため予算を先に考え、その範囲で最大限こだわるといったような計画をしていくことがおすすめです。

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