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免震構造とは 耐震・制震との違いと種類・費用相場まで徹底解説

2023年10月13日

建物の地震対策として用いられる構造には耐震や制震がありますが、近年脚光を浴びているのが免震構造です。
建物本体を揺れにくくするため、家具倒壊などの二次被害を防げる構造として人気を集めています。

ここでは、免震構造と耐震構造・制震構造を比較しながらそれぞれのメリット・デメリットを解説します。
種類と費用相場についても詳しく言及しているので、導入を検討されている方はぜひご一読ください。

免震構造とは 耐震・制震との違いと種類・費用相場まで徹底解説

免震構造とは建造物本体の揺れを軽減する建築構造

免震構造とは、建物に免震装置を設けて建物自体の揺れを軽減する建築構造です。
免震装置は、基本的にアイソレータとダンパーから成ります。

アイソレータは、揺れを小さく遅くする役割を担います。
積層ゴムにより揺れのエネルギーを吸収したり、ベアリングや鋼板を利用して受け流したりして建物の揺れを軽減します。

ダンパーの役割は、アイソレータの補助と振動の停止です。
オイルや金属を利用して揺れを吸収します。

免震構造の3つの種類とは|それぞれの特徴と施工例

免震構造には主として以下のような3つの工法があり、建物の規模や形状によって使い分けられます。

1.基礎免震
2.中間層免震
3.ダブル免震

それぞれの特徴について解説し、施工例を紹介します。

基礎免震とは|特徴と施工例

基礎免震とは、建物の基礎部分に免震装置を設置する建築構造です。

建物全体の揺れを軽減できる反面、工事が大規模になり一定のスペースを必要とします。
また、地震が発生すると建物と地面の間に段差が生じるため建物周囲に一定のクリアランスを要します。

基礎免震は、倒壊しない点を重視する比較的低層の建築物に採用されます。
1996年~1998年にかけて施工された国立西洋美術館の免震装置は、既存物件への改修工事として日本初の試みでした。

中間層免震とは|特徴と施工例

中間層免震とは、建物の中途の階に免震装置を設置する免震構造です。

中間層免震は、基礎免震ほどの大規模工事にはならないメリットがあり、揺れ幅に対する土地のクリアランスも必要ありません。

ただし、設置した階より下の階へ免震効果を発揮できないデメリットがあります。
また、建物設備や配管を免震層の伸縮に対応させなければなりません。

しかしながら、高層建築には極めて有効であり、横浜市役所や梅田DTタワーなどの施工例があります。

ダブル免震とは|特徴と施工例

ダブル免震とは、基礎免震と中間層免震両方を用いた免震構造です。

免震層を基礎と中間層の2層に設け、双方のデメリットを克服します。

すなわち、基礎免震だけでは対応できない高層階のむち振り現象を中間層免震で補います。
さらに、中間層免震のデメリットである低層階への免震を基礎免震により克服、建物全体を高次元で免震できる免震構造です。

施工例としては、読売テレビの新社屋があります。

免震構造以外の地震対策とは|耐震・制震構造の特徴と施工例

建築物の地震対策としては、免震構造以外に以下のような構造があります。

1.耐震構造
2.制震構造

それぞれ、免震構造より耳慣れた言葉かも知れませんが改めて特徴と施工例を紹介します。

耐震構造とは建造物の強度を高める建築構造

耐震構造とは、建物の強度を高めて揺れそのものを軽減する建築構造です。

つまり、柱や梁に丈夫な素材を用いたり、柱と柱の間に筋交いを付けたりなど材質や施工法の工夫により耐震性を強化します。

建築基準法における耐震基準は1981年に大幅な改定が行われました。
この新耐震基準をクリアした物件は、震度5程度では軽微なひび割れ、震度6強の大地震でも倒壊・崩落を免れるとされています。

多くの戸建住宅に採用されている建築構造です。

制震構造とは制震装置の設置により揺れを吸収する建築構造

制震構造とは、建物内部にダンパーや重りなどの制震装置を取り付けて揺れを吸収する建築構造です。

免震構造のように大規模な工事を要しないため、各階の床や壁の内側など適所に免震装置を組み込めます。

既存物件への地震対策リフォームとしては最も容易な構造です。
元来は高層ビルなどに用いられてきましたが、近年は戸建住宅に採用されるケースが増えています。

免震構造と耐震・制震構造を徹底比較

以下は、免震構造と耐震・制震構造の比較表です。

メリット デメリット 施工費用
免震構造
  • 建物内の揺れは小さい
  • 倒壊リスクが少ない
  • 家具倒壊などの二次災害を防げる
  • 建物が長持ちする
  • 設置費用が高い
  • 定期的なメンテナンスが必要
  • 施工できる業者が少ない
一戸建てで200~300万円
耐震構造
  • 設置費用が低い
  • どの業者でも施工できる
  • 地震以外の揺れにも強い
  • 設置制限がない
  • 地盤が弱くても設置できる
  • 建物内で揺れを感じる
  • 家具倒壊などの二次災害の可能性がある
  • 新築の場合は本体価格に含まれる
  • 既存物件への施工は150~200万円
制震構造
  • 既存物件への設置が比較的容易
  • メンテナンスが容易
  • 建物内で揺れを感じる
  • 相性の悪い建材がある
  • 設置箇所によって効果に差が出る
一戸建てで50万円~

それぞれにメリットはありますが、揺れに対しては免震構造が群を抜いています。
今後の普及具合に応じたますますの進化が期待されます。

まとめ

免震構造とは建物の揺れを軽減し、生活空間に伝えにくくする建築構造をいいます。
導入費用が高くメンテナンスのコストも嵩むため、大規模な建築物以外の一般住宅では普及していないのが原状です。

しかしながら、地震大国である日本において建造物への地震対策は最重要課題といっても過言ではありません。

常に想定を超える自然災害に見舞われたとき、後悔しないための備えが必要です。
免震構造は、現時点で最適の地震対策といえるでしょう。

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