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ボード気密工法とは?シート気密工法との違いとメリット・デメリット

ボード気密工法とはあまり馴染みのない言葉ですが、知る人ぞ知るエコな住宅工法のひとつです。

気密工法とは断熱性に優れた工法で、冷暖房費を節約でき環境負荷を軽減できる点から今後普及が期待されている建築工法です。

ここではボード気密工法とシート気密工法との違い、メリット・デメリットを詳細解説します。
光熱費の節約、ひいてはSDGsの実現をお考えの方はぜひご一読ください。

ボード気密工法とは床や壁の構造用面材を気密層にした工法

ボード気密工法とは、住宅の壁の外側で気密を確保する建築工法です。

ダイライトボードなどの構造用合板を建物の外側に貼り、柱や横架材との間に気密パッキンを挟むことで高い気密性を確保します。

一つの大きな気密バリアを形成するため長期にわたって気密性を保持できると共に、耐震性を向上させるメリットがあります。

ボード気密工法とシート気密工法との違い

建物の気密性を増す工法はボード気密工法の他にシート気密工法があります。
それぞれの特性を表にして比較します。

工法名 ボード気密工法 シート気密工法
施工法 床と外壁の構造用面材を横架材または柱に打ち付ける 気流止めである先張りシートと防湿層であるポリエチレンシートを連続させる
施工の難易度 施工しやすい 高い技術を要する
施工適性地域 主に温暖地 主に寒冷地

シート気密工法は梁の貫通部やコンセント周囲での加工に高い技術を要します。
ボード気密工法はシート気密工法の施工の難しさを解消するために開発されました。

ボード気密工法による高気密住宅のメリット

ボード気密工法のメリットは以下の4つに集約されます。

① 断熱性能の向上
② 居室の温度ムラ防止
③ 結露やカビの抑制
④虫やゴミ・ 外気からの汚染物質の侵入防止

それぞれについて解説します。

① 断熱性能の向上

ボード気密工法により気密性を高めると、必然的に断熱性も向上します。
なぜなら、気密性の低い家は外気が侵入してしまうからです。

例えば冬に温められた空気は建物上部の隙間から逃げ、補うように下の方から冷たい空気が入ってきます。
この流れを止めるのが、気密工法による気流止めです。

気密性の高さは、建物の断熱性を考えるうえで外せない要素です。

② 居室の温度ムラ防止

ボード気密工法による気密性の高さは、居室による温度の違いを軽減します。

気密性の低い家は、1階と2階の温度差が激しかったり、廊下や脱衣所だけ寒かったりします。

この温度差によってヒートショックを発症してしまう方が少なくありません。

断熱性能との併用が前提ですが、ボード気密工法による高気密性は、住宅内の温度を平均化し、ヒートショックを防止します。

③ 結露やカビの抑制

ボード気密工法には、壁内の結露やカビの抑制効果があります。

気密工法を採用していない家の場合、壁や屋根の隙間から暖気や冷気が侵入し、温度差による結露からカビが発生してしまいます。

カビの発生はダニの繁殖につながり壁内から居室内へ、やがて人体に悪影響を及ぼすとも限りません。

高気密住宅は隙間から外気の侵入を防ぐため、結露やカビ・ダニの発生を抑えます。

④ 虫やごみ・外気からの汚染物質の侵入防止

ボード気密工法による気密性の高さは、虫やごみ・外気からの汚染物質の侵入防止にも効果的です。

空気は寒暖を運ぶだけでなく、車の排気ガスや春のスギ花粉、黄砂・PM2.5など、ありとあらゆるものを運びます。
このうち粒子の細かい物質は住宅の隙間から侵入し、居室を汚したりアレルギー症状の原因となったりします。

有害物質の侵入を阻止し、快適で健康的な住環境を保つために、ボード気密工法による高気密性は欠かせません。

ボード気密工法による高気密住宅のデメリット

ボード気密工法には、デメリットらしいデメリットは見当たらないのですが、あえて挙げるとすれば以下の2つです。

①導入費用が高い
②施工できる業者が限られる

それぞれについて解説します。

①導入費用が高い

ボード気密工法の場合、気密性を高める工事が余計にかかるため、導入費用が高くなります。

電気配線やガス、水道などは壁を貫通しているため、それらの隙間を塞ぐ目張りが必要になるからです。
特に、鉄骨系の建物への工事は難易度が高く手間が増えるためいっそう費用がかさみます。

また、導入に先立って試験的な気密測定をする場合にも費用が発生します。

②施工できる業者が限られる

ボード気密工法の知名度は驚くほど低く、施工できる業者が少ない現状があります。

気密工法の発端は1953年の北海道防寒住宅建設促進法による防寒住宅への融資支援からです。
その後、高断熱高気密工法への取り組みが進み東北に伝わります。

しかしながら、関東以南では理解が得られず、気流止めを知らない職人が少なくありません。

ボード気密工法の気密性が住宅基準から外された理由

気密性が次世代省エネルギー基準に制定されたのは1999年です。
以来、高断熱高気密の住宅開発が進んできたのですが、2013年に改正された省エネルギー基準からは隙間数値が削除されています。

その理由には、あえて基準を設けなくても気密が確保できていると書かれています。

真偽はともかく、省エネルギー基準から外されたため、ハウスメーカーや業者は気密性を表記しなくて済むようになりました。

ボード気密工法による高断熱高気密住宅で実現するSDGs

ボード気密工法を用いた住宅は高断熱高気密のため、冷暖房費を抑えCO2の削減に寄与します。
すなわち、SDGs実現に貢献できるのです。

次世代省エネルギー基準から外されて表記義務はなくなったのですが、高気密≒高断熱は住宅業界の常識となりつつあります。
高気密をセールスポイントとするハウスメーカーが増えてきました。

まとめ

ボード気密工法とは、壁の外側を塞ぎ気密性を高める工法です。
気密性の高まりは、居室内の湿度と壁内の気流をコントロールすることにもつながり、断熱材との相乗効果も期待できます。

住宅の気密性は、現時点では住宅基準から外されていますが、循環型社会、SDGsの実現に向けて無視できない機能です。

今後ボード気密工法の需要が高まるのは間違いないでしょう。

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