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軽鉄工事のメリットとは?しない場合のリスクと施工の費用相場
2023年07月13日
内装工事の一環として施工される軽鉄工事ですが、軽鉄工事とは何か、軽天工事とどう違うのかわからずに業者に丸投げしている方は少なくありません。
ここでは、軽鉄工事とはどのような工事なのか、意味とメリット・デメリット、しない場合のリスクを解説し、施工の費用相場までを紹介します。
記事を読むと、軽鉄工事がいかに重要か納得できるでしょう。
軽鉄工事とは?軽天工事やLGSとの違いとは
軽鉄工事とは、天井や壁の骨組み工事をいいます。
新築やリフォームにおいて、部屋の間仕切りが必要な場合などに施工されます。
軽天工事とは「軽鉄材」を使った天井の骨組み工事です。
つまり、軽天工事は軽鉄工事に含まれ、言葉としては、ほぼ同じ意味で使われています。
LGSとは、Light Gauge Steel(ライト・ゲージ・スチール)の略で軽量鉄骨を指します。
すなわち、LGS工事もまた軽鉄工事と同義語です。
内装工事に軽鉄工事を導入するメリットとは
内装工事に軽鉄工事を導入する主なメリットは以下の3点です。
・造作が簡単で工期を短縮できる
・軽量で躯体への負担が少ない
・耐火性・耐久性に優れている
それぞれについて詳しく解説します。
造作が簡単で工期短縮できる
軽鉄は軽く施工しやすいため、工事期間を短縮できます。
形や長さがJIS規格で決められているので、全国どこでも同じ品質のもので施工可能です。
また、曲げ加工も容易で、工場製作や現場加工の際も難しい熟練の技術を必要としません。
JIS規格による大量生産が可能なことから、同じ骨組み材料として用いられる木材や重量鉄骨と比較すると価格も安定、工期短縮と併せて、コストパフォーマンスの高い工事といえます。
軽量で躯体への負担が少ない
軽鉄工事に使われる鉄骨は厚みが0.5mmほどと極めて薄く軽量です。
そのため、天井や壁など躯体への負担が少ないメリットがあります。
特に、吊り天井工事の場合、どうしても建物本体への負担が大きくなるので、軽鉄による骨組み工事が適切でしょう。
軽鉄工事なら、アンカーやライナーで構造物を支えるため、設置も撤去も容易です。
尚、吊り天井に用いられる軽鉄は、特に軽い薄板軽量形鋼を使用しています。
耐火性・防湿性に優れている
軽鉄は鋼製のため燃えません。
また、木材のように湿度による伸縮や反りがないため、季節によって躯体に何らかの影響を及ぼすこともありません。
軽鉄は耐火性・防湿性に優れ、カビの発生やシロアリ被害の心配もない、極めて優れた下地材といえます。
火を扱うキッチンなどの下地材としては最適でしょう。
消防検査にも通りやすいため時間節約にもつながり、工期をいっそう短縮できます。
内装工事に軽鉄工事を導入するデメリットとは
軽鉄工事のデメリットは、材料が鋼材ゆえのデメリットにほかなりません。
主たるデメリットは以下の3点です。
・錆びる可能性
・音が響く可能性
・熱伝導率が高く外気に左右されやすい
それぞれについて解説します。
錆びる可能性
軽鉄は防錆加工されているとはいえ紛れもない鉄です。
したがって、錆びる可能性があります。
海からの風が吹きつけるような場所、洗面や浴室周辺での使用は控えた方が無難です。
また、ほかの金属との接触による「電蝕」で錆びるケースもあり、放置しておくと強度を保てなくなるので、新たな防錆加工やパーツの交換など、すみやかな対策が必要です。
場所によっては、ステンレス製のLGSを使うこともあります。
音が響く可能性
軽鉄は木材に比べて音が響く可能性があります。
実際、軽鉄を下地材とした建物で「上階の足音が気になる」「隣室の音が洩れる」などの苦情が寄せられたとの報告もあります。
防音対策としては、間取りの工夫、壁面や床面への防音材料の使用が効果を上げています。
熱伝導率が高く外気に左右されやすい
鉄は熱しやすく冷めやすいため、軽鉄工事をすると夏は暑く冬は寒くなる可能性があります。
壁面や床面の内部とはいえ、軽鉄の熱伝導率の高さは木材の比ではありません。
外気温の伝わる下地材は、床面や壁面はもちろん、そのまま室内へも夏の暑さ・冬の寒さを伝えてしまいます。
しかしながら、近年は断熱材の使用が一般的となり、こうしたデメリットは軽減されています。
軽鉄工事の費用相場とは
軽鉄工事の1㎡あたりの費用相場は以下の通りです。
工事部位 | 1㎡あたりの費用相場 |
天井軽鉄下地 | 1,400円~ |
壁面軽鉄下地 | 1,700円~ |
間仕切軽鉄下地 | 1,600円~ |
上記はあくまでも目安であり、業者や施工サイズによって費用は変わります。
ちなみに、東京都内での33坪の軽鉄工事にかかる費用が約23万円、居抜き物件なら約15万円とのデータもあります。
単純比較はできませんが、軽鉄工事は、広域になるほど単価は安くなるようです。
軽鉄工事をしない場合のリスクとは
適切な軽鉄工事を怠った場合、重量のある開き戸がぶれたり、壁や天井の強度が保てなくなったりします。
地震で倒壊の危険性が高まるのはいうまでもありません。
また、施工ミスによるトラブルも報告されています。
ミスの内容 | トラブル内容 |
ピッチの確認忘れ | 壁がグラグラ揺れる |
垂直の出し忘れ | 造作物が納まらない・クロス柄が合わない |
すでに後工程が入っていたので工事やり直しとなり、多大な損失を計上したそうです。
軽鉄工事の導入はもちろん、業者選びには慎重を期したいものです。
まとめ
軽鉄工事とは、軽量鉄骨を用いた天井や壁面の下地の補強工事をいいます。
LGSとは軽量鉄骨を指し、軽天工事もほぼ同じ意味で使用される言葉です。
作業しやすく耐火性・防湿性に優れているため、多くの建築物に採用されています。
軽鉄工事をしない場合のリスクは大きく、小さなミスが大災害につながるので丁寧な作業が求められます。
もはや、建物の安全確保に欠かせない軽鉄工事、実績のある信頼できる業者を選びましょう。
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