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防火区画の基礎知識 種類や配置方法・免除規定を解説
2023年08月29日
防火区画について知っておきたい方へ。
建築物を建てる際、安全に配慮した防火対策は非常に重要です。
災害発生時の安全を保証するため、さまざまな基準が設けられています。
今回は、火災を想定した安全対策の1つである、防火区画について解説しました。
基本的な内容だけでなく免除・緩和規定なども深掘りします。
記事を読み、防火区画の基礎知識を身につけましょう。
条例参照:建築基準法施行令 第112条 | e-Gov法令検索
防火区画の基礎知識と重要性
防火区画とは、火災の被害を可能な限り少なくするために建物の区画に制限を設けたものです。
建築基準法施行令112条で規定され、特定の要件を満たす建築物に対し建築基準法上設置義務があります。
違反した場合は、行政指導や行政処分が科される可能性があります。
また、罰則が課され懲役処分や罰金刑が課される可能性もあるため注意しましょう。
防火区画の4つの種類・特徴
防火区画の種類は4つです。
・面積区画
・高層階区画
・竪穴区画
・異種用途区画
それぞれの特徴などを解説します。
1.面積区画|一般的な防火区画
同じフロア内での火災による延焼被害の拡大防止が目的です。
500㎡ごとに範囲を区分け、安全性に配慮し規定を細かく設けています。
広さだけでなく、建物の種類や設備の造りなどにも細かく規定が設けられています。
既定の大まかな概要は以下の通りです。
区画の範囲 | 該当する建物の条件 | 建物の耐火構造 | 求められる設備 |
1,500㎡以内 | ・建物の中心部分が最低1時間は燃え広がらない工法や材料で建築されている建物 | 1時間準耐火構造 | 特定防火設備 |
1,000㎡以内 | ・主要な建物などが1時間以上の耐火性能を持つ工法や材料で建てられた建物 | 1時間準耐火構造 | 特定防火設備 |
500㎡以内 | ・主要な建物などが45分以上の耐火性能を持つ工法や材料で建てられた建物 | 1時間準耐火構造 | 特定防火設備 |
面積区画の詳細については、以下の条文に記載があります。
・建築基準法第27条および61条
・建築基準法施行令112条の第1~6項
違反すると罰則規定があるので注意してください。
2.高層階区画|高さに応じた防火区画
高層階区画とは、11階以上に適用される規定です。
建築基準法施行令112条の第7〜10項に定められています。
11階以上では、はしご車は届きません。
そのため、火災時に消火や救助が困難なため区画面積などが規定されています。
床面積100㎡ごとの設置が原則ですが、建材によって要件が異なります。
竪穴区画|縦方向の火災拡大を防ぐ防火区画
竪穴区画は縦方向への火災拡大を防止するために設置します。
建物内の縦方向に連続する空間を仕切り、火災時に上下の階層への延焼を防ぎます。
竪穴区画を設ける必要がある建物は、準耐火構造で地下1階や3階以上に居室を有するものです。
具体的には、エレベーターのシャフトや吹き抜け、階段などがあります。
これらの空間を仕切り、火災時に自動的に閉じる扉やシャッターを設置することで、被害拡大を防止します。
4.異種用途区画|用途別に分けられた防火区画
異種用途区画とは、1つの建物内で管理者や利用者、用途が異なる区画です。
複合施設をイメージすると分かりやすいでしょう。
免除規定については、建築基準法施行令112条の第18項で確認できます。
免除を受けるには、国土交通大臣の基準を満たす警報装置、または準じた措置が必要です。
行き違いを防止するため、施工時に業者へ確認するとよいでしょう。
防火区画の設置についての基礎知識
防火区画の設置について以下3点の基礎知識を解説します。
・防火区画の設置・配置方法
・防火区画の貫通部・注意点
・外壁設定時の距離について
設置方法や注意点をチェックして解説していきます。
防火区画の設置・配置方法
防火区画では、耐火時間の基準に合わせた性能が必要です。
そのため、次のような設備が求められます。
・耐火構造または準耐火構造の壁と床
・防火設備あるいは特定防火設備
防火設備であれば20分以上、特定防火設備であれば60分以上の耐火時間が必要です。
防火区画の貫通部・注意点
ライフラインを通すための穴を貫通部と呼びます。
火は隙間があれば燃え広がる性質があり、貫通部は特に注意が必要です。
そのため、貫通部には燃え広がらないための対策として防火区画処理をほどこします。
例としては、給排水管の貫通部周囲1mの不燃素材の使用や、電気設備の貫通箇所に対する消防認定された処理などです。
また、換気設備にも対策が必要で、ダクトを閉じる装置「防火ダンパー」の設置が義務化されています。
スパンドレル(外壁)の役割
スパンドレルとは、防火区画に接する外壁を指します。
火災時に外気から炎の回り込みを防ぐ役割を持っています。
スパンドレルは住宅や商業施設、ビルなどの外壁にピッタリです。
スパンドレルに開口部がある場合は、防火設備や防火ダンパーが必要です。
建築基準法により、面積区画、高層区画、竪穴区画がある建物では設置が求められています。
抜けがないように注意してください。
防火区画には2つの免除要件がある
面積・竪穴区画には免除・緩和される要件があります。
・面積区画の免除要件
・竪穴区画の免除要件
それぞれどういった場合に免除・緩和されるのかを解説します。
1.面積区画の免除・緩和要件
代表的なものは以下の通りです。
・自動消火設備の設置
・階段やエレベーター
・映画館や冷蔵・冷凍庫など用途による免除
スプリンクラーなどの自動消火設備を設置すると、面積区画が2倍に緩和されます。
また、階段やエレベーターは面積区画には含まれません。
映画館や冷蔵・冷凍庫などで、やむを得ない部分のみ免除要件に当てはまるケースもあります。
いずれも書類の提出は必須なので、悩んだ場合は専門家へ相談しましょう。
2.竪穴区画の免除要件
竪穴区画も、面積区画と同様に免除規定があります。
映画館や劇場、体育館などは、大きな空間を必要とする用途であるため、細かく仕切れません。
冷蔵・冷凍庫などは、火災の発生源となりにくい設備です。
これらは、特定の条件を満たせば規定が緩和・免除されます。
また、1階などの避難口と直下・直上する吹き抜け部分については、仕上げ・下地に不燃素材を使用すれば免除されます。
さらに、3階以下の住宅で、200㎡以内の床面積の吹き抜け部分・階段部分も免除の対象です。
まとめ
対策・備えを十全にしていても火災リスクはゼロではありません。
防火区画は、万が一の場合に命を守る重要な規定です。
建築基準法12条に定められているため、基本的な部分は理解しておきましょう。
違反した場合は、罰則が科されるリスクもあるので注意してください。
必要な知識を備え、不要な損害や出費を避ける備えをしておきましょう。
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